拒食だけでなく過食も

世代で異なる
うつ病になると食欲にも何らかの変化が生じます。そのため、うつ病と診断され、問診の結果をみてはじめて、数か月間、自分がほとんどきちんとした食事をしていなかったことに気づくこともあります。こういう人は、食事をしなくても、不思議とおなかがすかない、つまり食欲の低下が起きている人がほとんどです。それがどうして起こるのかといえば、意識しなくても、常に動いてしかるべき内臓が動いていない可能性があるからです。一番恐ろしいのは、そのことを自覚していないことです。食欲が低下しているのに、それが異常だと感じないほど、うつ病の人は追い詰められています。このように、物理的な要因で食欲がなくなることもありますが、うつ病の人の多くは、精神的要因から拒食になったり、あるいはストレス食いという過食になったりします。これは、セロトニンが減少することにより、感情を司る脳内ホルモンのバランスが崩れ、食欲を含めたあらゆる欲求のコントロールが難しくなるのが原因です。うつ病では食欲がなくなり見る見るうちに痩せていくとよく言われますが、拒食と過食を繰り返すこともあるので注意しなければなりません。抑うつが強いと拒食気味になり、回復期には手当たり次第に食べる過食の傾向にあります。食欲の低下はもちろん、さまざまな症状が重なり合うのがうつ病です。また、成人期のうつ病は、発症の引き金や症状の現れ方が世代により少しずつ異なってきます。たとえば、20代から35歳前後の人は、ライフイベントの節目を迎えることが多く、うつ病を発症すると今後の生活設計などに大きく影響を与えます。この時期に発症する人は、遺伝的な要因が強いです。また、その人のパーソナリティが深く関係していることがほとんどです。そのため、不安や無気力など精神症状が主にみられます。そして、35歳から45歳は、比較的心身が安定している時期ですが、仕事量が増えやすく、疲労が要因のうつ病を発症しやすいです。若年層に比べ、職場と家庭環境、個人の能力などの影響を受けやすくなっています。精神・身体両方の症状が出やすく、典型的なうつ病の症状を伴います。さらに、45歳から55歳ぐらいになると、管理的な立場で責任を負うことが多いため、職場環境が発症にかかわることが多いです。加えて、夫婦や介護問題など家庭内の人間関係なども含めて発症することもあります。

早めの治療が大事
うつ病を治すために病院で治療を受けるはずが、現に病院で治療を受ける患者は3割ほどしかいないといわれています。病院を利用する目的は病気を治すためです。早期に発見することで、うつ病は早めに治していくことが可能です。

認知症との区別
高齢者の場合、認知症とうつ病を区別することは難しく、併発しているケースもあります。それぞれの主症状やその捉え方に違いがありますので、気分の落ち込みが激しいようなら、うつ病を疑って受診することも大事です。

医療機関の見分け方
うつ病を治療する医療機関を選ぶ際には、自分に合う所を見つける事が大切です。迷ったら診察内容について電話で問い合わせるか、各種相談機関を利用するのが無難です。そして治療には家族の理解も大切です。診察時には家族も同席するのが望ましいです。
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